純米 ”虹”ラベル-Kagiya Rainbow-のご案内
このお酒はコロナ禍になる前、“2019年”に仕込んだお酒です。
2020年”春に瓶詰後、緊急事態宣言などの影響ですぐに出荷する事が叶わず、しばらく静かに眠りについていたお酒。これまで1年半以上低温熟成して成長した味わいを、「虹」ラベルにのせて皆様のもとへ旅立ちの時です。コロナ禍で失った日常もありますが、コロナ禍で気づけた小さな”幸せ”もあります。そしてこのようにコロナ禍だからこそ”生まれたお酒”もあります。私たちと同じ混乱の時間をともに過ごしてきたこのお酒が、皆様にとって明日への希望の雫となりますように。2021年10月23日より、いよいよ発売開始です。お見かけの際はじっくりとお楽しみ下さいませ。
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伊予賀儀屋 無濾過 純米 虹ラベル Kagiya Rainbow
-おすすめ飲用温度帯-
涼冷え〜常温おすすめ。
冷酒でスッキリ、燗酒で力強く。
-おすすめ相性の良い料理-
おでん
ポークステーキ
スモークチーズ など
・お米:愛媛産しずく媛
・alc:17.5% ・日本酒度:+6 ・酸度:2.0
・酒造年度:2019BY(R1BY)
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【Kagiya Rainbow 誕生秘話】
当商品は大変背景の濃いお酒です。
発売に至るまでの経緯や想いをまとめました。ご一読頂けますと幸いです。
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第1章 -コロナ現る!?-
2019年冬。新型コロナウイルスの出現で、まさか世の中がこんな事になるなど全く予想すらしていない平和な時間。翌年に控えた東京五輪(2021年に延期)など、日本列島が世界から注目され熱狂に包まれる様子を想像しながら醸したお酒。そんな2020年に向け”希望”溢れる想いで寒く厳しい冬に、スタッフ皆で蔵ごもりして一生懸命に醸したお酒が、この商品です。
”シャープな旨み”が特徴的だったこのお酒は当初フレッシュな辛口酒として既に瓶詰作業を終え2020年に発売予定でした。ところが緊急事態宣言発出の影響で世の中の情勢は大きく変わってしまいました。街から人は消え、様々な行事は制限と自粛。目に見えないウイルスとの闘いの始まりです。このお酒も急遽発売スケジュールを変更し、すぐに出荷することを諦め、これまで約1年半以上じっと、ここ酒蔵で”眠り”についていました。その後、度重なる緊急事態宣言の影響で蔵の中で山積みとなった在庫を見上げながらスペース確保、酒質保持のため一時は他酒と”ブレンド”する事を考えた事もありました。しかし定期的に試飲していたこのお酒の”可能性”に惹かれ不安や混乱の中、私たちと同じ時間を過ごしてきたこのお酒に大きな愛着を感じるようになりました。
そんな中、今年2021年”夏”過ぎの事。
このお酒をいつものようにスタッフ皆でテイスティングした時です。新酒の時にはなかった”まろやかな旨み”にスタッフ一同、目を見合わせ思わず”笑顔”になれました。辛口酒の中に生まれた優しい甘み。酸や香りのバランスなど、日本酒はしっかり成長してくれていました。コロナ禍で失ったものも多々ありますが、コロナ禍で気づけた事や得たものもあります。コロナ禍だから生まれた味わいも。
「いつ皆様に、このお酒をお届けしよう」
下を向きがちだった私たちに芽生えた”希望”の雫。ラベルも何も決まっていない”とあるお酒”。1年半、止まっていた時計が一気に動き始めた瞬間でした。
第2章 -10月下旬発売決定!-
止まっていた時計の針が一気に動き出した”2019BY酒プロジェクト”。時は2021年夏過ぎ、発売する事は決まりましたが、大事な”名前”も”ラベルデザイン”も、”価格”も”発売時期”も何も決まっていません。まさに「名もなき酒」。
まずは何かからでも決めていかなければ話が前に進みません。なので、毎日ひたすらテイスティング。このお酒の”熟成(成長)”を見続けました。きっと、いいヒントが見えてくるはず。2020年春に瓶詰した新酒の時は辛味と酸味が前面に押し出され、シャープな”スッキリ辛口酒”でした。このコロナ禍、1年半の低温熟成によってまろやかな”旨味”が新たに加わりバランス良好、すっかり大人びた姿に成長。ちなみに”15℃から常温”の温度帯が一番のおすすめ飲用温度と、スタッフ総意見。冷酒でよりスッキリ、燗酒でより力強く。様々な表情を見せてくれる面白いお酒。一口飲めば、不思議と温かい出汁系スープが飲みたくなります。
「魚の煮付けもいいね」
「おでんはどう?」
「スモークしたチーズなんて最高」
スタッフ皆で利き酒しながらいつも脱線して”食べ物の話”になる事がしばしば(笑)新たに加わった”旨み”のおかげで、酸味や苦味などのアクセントも整い、伊予賀儀屋らしい「食べながら飲む酒」としてついつい食を欲する酒へと大変身です。
これから訪れる新しい季節、涼しい風の中”おでん”などと一緒に常温でゆっくり楽しんでもらいたいね、とまさにこのお酒を楽しむシーンが鮮明にパッと浮かびました。決まる時は意外とスパッと決まるもので、満場一致で10月発売が決定♪
これで無事”発売時期”は決まりました。あとは名前やラベルデザインを決めるのみ。
ちなみにこの時はまだ緊急事態宣言中。酒類提供自粛なども騒がれ私たちにとって先の見えない重苦しい空気漂う時期でした。そんな中「9/30で緊急事態宣言など全解除」いう明るいニュースが飛び込んできました。
「絶望から一転、わずかな希望の光が」
発売日が10月に決まった途端の制限解除など、1年半以上もの間、私たちと一緒にコロナ禍の時間を過ごしてきた”このお酒”にいろんなご縁や偶然を感じずにはいられません。この時、発売開始まであと1ヶ月と迫っていました。名前もラベルもまだ未決定にも関わらず、不思議と焦りはなく、発売に向けてのワクワク感が高まるばかり。何事も楽しむ事は大切ですね。気持ちが前向きの時は色々とアイデアが浮かんでくるモノです。
これまでの約2年を振り返り、ここから一気に思いがカタチに!
第3章 -虹との出会い-
このお酒は「混乱のコロナ時代を私達とともに過ごしてきたお酒」です。
名前すらきまっていなかったこのお酒ですが、”ある1枚の写真”との出会いによって急展開を迎えます。このお酒のコンセプトを模索している中で「コロナ禍の2年間を振り返ってみよう」と思い、過去の写真をいろいろ眺めていた時のことです。ちょうど1年前の2020年夏の写真。コロナ禍でどこにも行けず窮屈な想いをしていた子供達は生まれて初めて見る”虹のアーチ”に大興奮。
様々な制限や我慢など、重苦しい雰囲気を一瞬で明るく変えてくれた自然美。今でもあの日の事は鮮明に覚えています。虹は雨上がりの空に、光が射した時に突如として現れます。古来より私たちのご先祖達もそんな虹を見て「夢・希望・幸運」を願い、大切にしてきたそうです。
「そうだ、この虹にしよう!」
見る人を笑顔にする”虹”
飲む人を幸せにする”酒”
この2つが1つに繋がった瞬間です。ここからものすごい勢いで物事は進んでいきました。
私たちにとって日本酒とはすべて手塩にかけ育てた可愛い子供のようなもの。緊急事態宣言などの影響で一時は発売を断念し、他のお酒とブレンドする事も考えましたが、私たちと同じコロナ禍の混乱を生き抜き、今こうして世に出せる事になり感謝の気持ちでいっぱいです。コロナ禍で失ったものはありますが、コロナ禍だから気づけた”小さな幸せ”やこうして新たなに生まれたモノもあります。
このお酒のテーマは”希望”。
温度帯によって”七色”に変わる味わい、お料理によって”様々な相性”を楽しめる酒質、味わいはもちろんの事、その”背景”や”ストーリー”も一緒に味わっていただきたい1本です。過ぎた時間は戻ってきませんが、明るい未来の話はたくさんできます。この先どんな未来が来ても、このコロナ禍の経験を生かして希望を捨てず上を向いて歩いていきましょう。
このお酒は15℃から常温を基調に、おでんや煮付けなど出汁を生かしたお料理と相性◎。醤油だれのポークステーキやスモークチーズも◎。冷酒でよりスッキリと、燗酒でより力強く、お料理・温度帯・幅広く楽しめると思います。
熟成によりバランス力が向上した辛口純米です。このお酒の味わいはもちろんですが、その背景やストーリーも一緒にお楽しみ頂けますと幸いです。お買い求めの際は、特約酒販店様、および酒蔵SHOPでどうぞ?
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